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2018.03.16 コラム

寄付の現状

寄付の現状

先日、3月11日の東日本大震災に関するのテレビ番組の中に流れる映像を見て、改めて震災の傷跡の大きさと復興には時間がかかるということを痛感しました。同時に被災地支援の必要性を再確認しました。

東日本大震災のような緊急災害支援のほか、実は日常でも私たちはさまざまな寄付をしています。我が家でいえば、小学校でのユニセフ募金、町内会からの呼びかけで寄付する共同募金や年末助け合い募金のほか、ふるさと納税、マラソン大会の寄付枠での参加等々。改まって寄付をしなくても実は毎年払っている寄付金ですが、では、現在の日本の寄付の現状はどうなっているのでしょうか?

寄付白書発行研究会の「寄付白書2017」によると、2016年の個人寄付総額は7756憶円、寄付者数は4571万人、寄付率は45.4%であり、2016年度の日本の名目GDP0.14%に相当します。また、寄付者率は年齢とともにあがり、70代では6割弱の方が寄付をしています。年代を経るにしたがって未来社会に還元したいという社会貢献意識が高くなっていることが伺えます。

遺贈寄付の現状

ところで最近、NGO団体の「遺贈寄付」のテレビコマーシャルをみかけます。「遺贈」とは、個人が死亡した時に、遺言によって特定の人や団体にご自身の財産の一部またはすべてを無償で与える(贈与)することをいいますが、推移を示すデータはないものの、NPO関係者の多くは「明らかに増えている」と感じているようです。こちらも東日本大震災後の寄付意識の高まりが大きな要因になっているようです。

遺贈の実績

内閣府の第25回税制調査会の資料によると、全般的なデータはありませんが、相続税の申告から把握される限りでは、遺贈・寄付された相続財産はおよそ300億円だそうです。寄付の文化や税金の制度の違いがありますが、欧米にくらべると少ない状況にあるようです。

相続税非課税の特例適用実績(平成25年分)

 

 

件 数

金  額

公益法人などに寄付した財産

52

41億2,768万円

特定の公益法人などに寄付した相続財産

272

255億7,094万円

特定公益信託*のために支出した相続財産

11

5,764万円

認定NPO法人に寄付した相続財産

34

2億3,563万円

合  計

369

299億9,190万円

                           主税局調べ

1は故人が遺贈した財産、2は相続した人が寄付した遺産

*公益信託とは奨学金支給、自然科学研究助成、社会福祉等の公益活動の助成を目的として個人や企業が信託銀行等に金銭等の財産を信託するもので、一定の要件を満たす公益信託は特定公益信託とよばれ、税制上の優遇措置が講じられます。

 

まとめ

寄付の盛んな欧米と比べると少ないながらも、近年遺贈が増えている要因のひとつとして、エンディングノートをはじめとする「終活」ブームも挙げられます。各地で「終活」や「相続」などのセミナーも盛んにおこなわれ、自分の死について考えやすい状況になりました。

生きている間は何が起こるかわからないので、大きな金額の寄付には二の足を踏んでしまいますが、自分が亡くなった後には大きな金額を寄付してもよいと考える人は少なくないことはトップページの「国境なき医師団日本」の資料からもわかります。

しかし、上記の遺贈の総額やトップページの表からもわかるように、遺贈してもよいという意見がある一方、実際に遺贈を遺言書に記載している人の割合はまだまだ少ないのが現状です。手続きが難しそう、と感じたらまずは無料の相談を是非ご利用ください。

 

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