2018.04.03
お客様の声
父の遺産がほとんど慈善団体に!?
知人の親族からの相談です。
相談は、亡くなった方の息子さんから、「父が亡くなり、仏壇から遺言書が出てきたけど、隠しておいてもいいでしょうか。」いいわけはありませんね。
事情を伺うと、遺言の内容は、財産の大半をとある有名な慈善団体に遺贈寄付するというものでした。表に出すかどうかかなり迷ったようです。
奥さんも子供もいて、仲も悪くなかったのに何故財産の大半を寄付しようと思ったかは定かではありませんが、遺言者の意思ですので、法律上は有効です。
しかし、親族としてはまるで自分たちが蔑ろにされたかのような気持ちになったのでしょう。
結局、弊社の顧問弁護士を通じて団体に連絡し、事情を説明したところ、遺贈の一部を放棄してくれることになりました。団体としても、万が一争いに巻き込まれても困りますし、親族の感情を慮ってくださった面も大きかったようです。団体名は差し支えるので出せませんが、その心が流石だなと思った次第です。
遺贈寄付をする志は非常に尊いもので、それ自体は素晴らしいことです。その上で、家族への気遣いも忘れないこともまた大切です。
遺言書を作成する際には、単に財産をどう分けるかだけではなく、なぜそのような分け方をするに至ったのか、何を考えて遺言書を作成したのかまで書いておくと後々の争いを防ぐ効果が期待できます。